「我々の革命は、帝国にとって最も予想外の場所に出現した。そこは、帝国が全能の支配者として振る舞うことに慣れきっていた半球だった」

- 1926年8月13日~2016年11月25日
- キューバ出身
- 革命家、政治家、弁護士
英文
“Our Revolution emerged where it was least expected by the empire, in a hemisphere where it was used to acting like an all-powerful master.”
日本語訳
「我々の革命は、帝国にとって最も予想外の場所に出現した。そこは、帝国が全能の支配者として振る舞うことに慣れきっていた半球だった」
解説
この言葉は、フィデル・カストロが1959年のキューバ革命を「帝国」――すなわちアメリカ合衆国――に対する予想外の挑戦として位置づける発言である。アメリカは長らくラテンアメリカを自国の「裏庭」と見なしてきたが、その支配領域の中心に突如として反米・反資本主義の革命政権が現れたことは、冷戦構造における大きな地殻変動であった。
「最も予想外の場所」「全能の支配者として振る舞う」といった表現は、アメリカの覇権的態度と、それに挑む小国の意外性と独立精神を対照的に描き出している。キューバ革命は、貧困国・小国であっても、民衆の意志と組織力があれば帝国主義に抗うことができるという希望と前例を世界に示したとカストロは位置づけていた。
現代においてこの言葉は、覇権国が当然とみなす支配構造が崩れるとき、歴史がいかに新しい道を開くか、また真の変革はどこからでも起こり得るという事実を思い出させる。カストロのこの発言は、地政学の周縁から中心に抗う力が生まれるという、革命的主体性の原理を強く表明したメッセージである。
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