「世界には8億2,000万人を超える人々が飢餓に苦しんでおり、そのうち7億9,000万人は第三世界に暮らしている」

フィデル・カストロの名言・格言・警句(画像はイメージです)
フィデル・カストロの名言・格言・警句(画像はイメージです)
  • 1926年8月13日~2016年11月25日
  • キューバ出身
  • 革命家、政治家、弁護士

英文

“More than 820 million people in the world suffer from hunger; and 790 million of them live in the Third World.”

日本語訳

「世界には8億2,000万人を超える人々が飢餓に苦しんでおり、そのうち7億9,000万人は第三世界に暮らしている」

解説

この言葉は、フィデル・カストロが世界的な飢餓問題の深刻さと、それがとりわけ発展途上国(第三世界)に集中している現実を告発する発言である。統計を具体的に挙げることで、単なる抽象的な批判ではなく、構造的な不平等とその被害の集中を可視化しようとする意図が見てとれる。

カストロは一貫して、貧困と飢餓は自然現象ではなく、人為的に生み出された経済システムの帰結であると主張してきた。この発言も、グローバル資本主義のもとで富が一部に集中し、多数の人々が基本的な生活すらままならない状況を強く非難する文脈に位置づけられる。特に「第三世界」という用語を用いることで、植民地主義と帝国主義の歴史的構造が今なお続いているという認識が示されている

現代においてもこの言葉は、国際社会の経済的不正義と、それに対する倫理的・政治的対応の欠如を鋭く指摘する。カストロのこの発言は、経済成長や技術革新が語られる一方で、人類の大半が依然として飢餓という最も基本的な問題に苦しんでいるという、文明社会に対する根本的な問いかけである

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