「いかなる国民をも危機の時代に導くことは、超人的な努力を要する。そして国民なくしては、変革は不可能である」

- 1926年8月13日~2016年11月25日
- キューバ出身
- 革命家、政治家、弁護士
英文
“It constitutes a superhuman effort to lead any people in times of crisis. Without them, the changes would be impossible.”
日本語訳
「いかなる国民をも危機の時代に導くことは、超人的な努力を要する。そして国民なくしては、変革は不可能である」
解説
この言葉は、危機の時代における指導者の重責と、民衆の不可欠な役割を同時に認識するフィデル・カストロの政治観を明らかにしている。ここで語られている「超人的な努力」とは、単に政策決定や行政能力を指すのではなく、民衆の信頼を得て困難を乗り越え、歴史的転換を導く精神的・倫理的資質をも含むものである。
また、「国民なくしては、変革は不可能である」という一節は、変革は上からの命令ではなく、下からの支えと参加によって初めて実現するという信念を反映している。これは、革命的変化を遂げたキューバの経験に裏打ちされたものであり、いかに優れた指導者がいても、民衆の自覚と協力がなければ社会は動かないという歴史的教訓に基づいている。
現代においてもこの言葉は、危機の中で求められるリーダーシップと市民の主体性の両立を考えるうえで重要な示唆を与える。経済不安、気候危機、戦争やパンデミックといった複合的な危機の中では、一人の指導者の力だけでは不十分であり、社会全体の連帯と努力が不可欠である。カストロのこの発言は、真の変革とは、指導者と民衆がともに背負う重みの中で生まれるものだという普遍的な真理を語っている。
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