「私がその市長に投票しないのは、彼が私を夕食に招待しなかったからだけではない。空港から町に向かう道中、あまりに巨大な穴ぼこがあったからだ」

- 1926年8月13日~2016年11月25日
- キューバ出身
- 革命家、政治家、弁護士
英文
“I would not vote for the mayor. It’s not just because he didn’t invite me to dinner, but because on my way into town from the airport there were such enormous potholes.”
日本語訳
「私がその市長に投票しないのは、彼が私を夕食に招待しなかったからだけではない。空港から町に向かう道中、あまりに巨大な穴ぼこがあったからだ」
解説
この言葉は、ユーモアを交えた政治批判と市政への現実的な不満を巧みに融合させたものである。フィデル・カストロはしばしば、辛辣な皮肉を用いて批判を和らげながら核心を突く言い回しを用いた。ここでの「夕食に招待されなかった」という軽妙な冗談は、個人的な感情に基づく判断ではないことを示しつつ、実際の行政の不備――すなわち道路整備の怠慢――への不満を明確に表現している。
この発言の核心は、市民生活に直結するインフラの整備こそが政治の信頼を左右する重要な要素であるという点にある。空港から市街地へ続く道路という象徴的なルートの荒廃は、都市の第一印象を損ない、行政能力そのものへの疑念を生む。この種の批判は、特定のイデオロギーとは無関係に、あらゆる政治指導者に通じる実務的課題を突いている。
現代の民主政治においても、見かけの演出やスローガンではなく、生活に根差した施策の実行力こそが支持を左右する。カストロのこのユーモラスな言葉は、政治的信頼とは言葉よりも道路に表れるという現実的な指摘として、皮肉と真理が共存する発言となっている。
感想はコメント欄へ
この名言に触れて、あなたの感想や名言に関する話などを是非コメント欄に書いてみませんか?
申し込む
0 Comments
最も古い