「私はキューバ東部にあるビランという名の土地で生まれた。その名で知られてはいるが、地図に載ったことは一度もない」

- 1926年8月13日~2016年11月25日
- キューバ出身
- 革命家、政治家、弁護士
英文
“I was born in a territory called Biran, in the eastern region of Cuba. It’s known by that name, although it has never appeared on a map.”
日本語訳
「私はキューバ東部にあるビランという名の土地で生まれた。その名で知られてはいるが、地図に載ったことは一度もない」
解説
この言葉は、フィデル・カストロが自身の出自を語るなかで、名もなき土地から世界的な革命家へと至る道のりを象徴的に描いた発言である。ビランは、キューバのオリエンテ州にある小さな農村地域であり、当時は行政上の正式な町でもなければ、地図に記されるような存在でもなかった。そのような無名の土地に生まれ育ったことへの誇りと、そこから歴史を動かす存在となった自覚が、この言葉には込められている。
「地図に載っていない」という表現は、単なる地理的事実以上に、社会の周縁や抑圧された地域からでも、意志と行動によって歴史を変えることができるという、カストロの革命思想の核心を暗示している。これは、声なき者や辺境からの反逆が、大国や既存秩序に挑むことができるという信念の象徴でもある。
現代においてこの言葉は、出自や地理的な「無名さ」が、政治的可能性や歴史的意義を決して否定するものではないという、普遍的な励ましのメッセージとなっている。カストロのこの発言は、真の変革は名声ある場からではなく、見過ごされてきた場所からこそ始まるという、革命的主体性の根源を体現した証言である。
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