「私は国家評議会議長および司令官の地位を望みもせず、また受け入れもしない」

- 1926年8月13日~2016年11月25日
- キューバ出身
- 革命家、政治家、弁護士
英文
“I neither will aspire to nor will I accept, the position of president of the council of state and commander in chief.”
日本語訳
「私は国家評議会議長および司令官の地位を望みもせず、また受け入れもしない」
解説
この言葉は、フィデル・カストロが2008年に正式に国家指導者の座から退く意志を表明した際の声明の一節である。長年にわたりキューバの最高権力者として君臨してきたカストロは、病気を理由に実務をラウル・カストロに委ねた後、正式に国家評議会議長および軍の最高司令官の地位を放棄した。この発言は、権力にしがみつかず、意志をもって歴史的役割を終えるという自己決定の表明であり、世界中に大きな反響を呼んだ。
カストロは、革命後のキューバを一貫して指導してきた象徴的存在であり、その退任は単なる人事ではなく、革命体制の移行と持続可能性を問う重要な節目となった。「望まないし、受け入れもしない」という二重否定の構文には、権力への執着の否定と、体制の安定に向けた責任ある姿勢が強く表れている。
現代においてこの言葉は、長期政権やカリスマ的指導者が政治的後継や制度的移行にどう向き合うべきかという問題に対する一つの模範または問いかけとして読まれる。カストロのこの発言は、個人よりも国家と理念の継続を優先するという姿勢を示し、革命の精神を後世に委ねる儀式的な言明でもあった。
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