「キューバとアメリカの間の問題を解決することは、それほど難しいことだとは私は思わない。それはすべて、対話や議論が行われるか、それとも政策を押しつけようとするキューバ系過激派やテロリストのような人々の偏見と憎悪が支配するかにかかっている」

フィデル・カストロの名言・格言・警句(画像はイメージです)
フィデル・カストロの名言・格言・警句(画像はイメージです)
  • 1926年8月13日~2016年11月25日
  • キューバ出身
  • 革命家、政治家、弁護士

英文

“I don’t think it is so difficult to solve the problems between Cuba and the United States; it all depends on whether there is a dialogue, a discussion, or if the prejudices and hatred of people like the extremists and terrorists from the Cuban community, who try to impose their policies, prevail.”

日本語訳

「キューバとアメリカの間の問題を解決することは、それほど難しいことだとは私は思わない。それはすべて、対話や議論が行われるか、それとも政策を押しつけようとするキューバ系過激派やテロリストのような人々の偏見と憎悪が支配するかにかかっている」

解説

この言葉は、フィデル・カストロがキューバとアメリカ合衆国との関係正常化の可能性を探る姿勢を示すと同時に、その障害となっている勢力への明確な批判を述べた発言である。カストロは、アメリカ政府そのものとの対話の可能性を否定せず、むしろ理性的な交渉と相互尊重に基づく議論があれば、両国の関係は修復可能であると信じていた

しかしその一方で、彼はアメリカ国内における亡命キューバ人の過激派グループ、とくにフロリダを拠点とする反カストロ派が、対キューバ強硬路線を政治的に支配し、和解の道を妨げていると見ていた。この発言では、「偏見と憎悪」といった感情的反応が、外交的合理性と和解のチャンスを損ねているという警告が強調されている。

現代においてもこの言葉は、冷戦的対立の残滓を乗り越え、対話と共存を選ぶことの可能性と困難を同時に示すものである。カストロのこの発言は、平和的関係構築には政治的意思と市民的理性が不可欠であり、過去の対立に固執することは未来を閉ざす行為であるという、冷静かつ鋭い洞察に満ちた呼びかけである。

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