「すべての市民は、一般教育と職業訓練を無償で受ける真の権利を持っている。これはアメリカ合衆国が自国民すべてに保障することができなかったものである」

フィデル・カストロの名言・格言・警句(画像はイメージです)
フィデル・カストロの名言・格言・警句(画像はイメージです)
  • 1926年8月13日~2016年11月25日
  • キューバ出身
  • 革命家、政治家、弁護士

英文

“Every citizen has the real right to receive general education and professional training at no cost, something that the United States has not been able to ensure for all its inhabitants.”

日本語訳

「すべての市民は、一般教育と職業訓練を無償で受ける真の権利を持っている。これはアメリカ合衆国が自国民すべてに保障することができなかったものである」

解説

この言葉は、フィデル・カストロがキューバ革命の成果として最も誇りにしていた「教育の無償化」と「普遍的アクセスの保障」を強調すると同時に、それを実現できていないアメリカの社会制度を批判した発言である。教育はキューバにおける社会主義の根幹をなす分野のひとつであり、読み書き能力の普及から高等教育、専門職訓練まで、無償で提供されることが国家政策として徹底されている

「真の権利(real right)」という表現は、単なる法的理想や憲法上の抽象的権利ではなく、実際に誰もが行使できる現実的な制度の存在を意味しており、キューバの制度設計が「実効的な平等」に基づいていることを示している。これに対してアメリカは、学費の高騰や不平等な教育機会により、実質的な教育権がすべての国民に保証されていないとカストロは批判している

現代においてもこの言葉は、教育を商品とするか公共財とするかという根本的な政策判断の違いを浮き彫りにし、経済格差が教育格差へと直結する社会の構造的問題への問いかけとなる。カストロのこの発言は、教育はすべての人に開かれたものでなければならず、国家の正義と未来の基盤であるという、社会主義的理念の実践的主張である。

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