「20世紀後半、私は深い知的探求の歳月を生きるという特権を得たが、その中で私は、北半球の最北に位置するカナダの人々が、常に我が国に対して敬意をもって接していたことに気づいた」

- 1926年8月13日~2016年11月25日
- キューバ出身
- 革命家、政治家、弁護士
英文
“During the second half of the twentieth century, I had the privilege of living through years of intensive erudition, and I realized that Canadians, located in the northernmost region of this hemisphere, were always respectful towards our country.”
日本語訳
「20世紀後半、私は深い知的探求の歳月を生きるという特権を得たが、その中で私は、北半球の最北に位置するカナダの人々が、常に我が国に対して敬意をもって接していたことに気づいた」
解説
この言葉は、フィデル・カストロが自身の知的成熟の時期を振り返ると同時に、キューバとカナダの関係に対する肯定的な評価を述べた発言である。カストロは革命家であると同時に、書物と議論を重視する知識人でもあり、政治の実践と理論的探求を切り離さない姿勢を貫いていた。この発言では、「知的探求の歳月」という表現を通じて、自身の政治的・思想的成長を語っている。
また、ここで注目すべきは、カナダに対する「常に敬意をもって接していた」という評価である。これは、アメリカとの敵対的関係とは対照的に、カナダがキューバ革命後も外交関係を維持し続け、対話と尊重を基本とした独自の外交姿勢を貫いてきたことへの感謝と認識を表している。特に米州の中でカナダは、経済封鎖に加わらず、人的・学術的交流を続けてきた数少ない国の一つであり、その姿勢が「敬意」として受け止められていた。
この言葉は現代においても、国際関係における尊重と独自性の重要性を示すメッセージとして意味を持つ。カストロのこの発言は、思想的成熟と外交的寛容性の双方を通じて、国家の尊厳と国際的信頼を築くことの大切さを教えている。
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