「ご存じの通り、我々の種が生きている限り、誰もが楽観的であるという神聖な義務を負っている。倫理的に見て、それ以外の態度は容認され得ない」

- 1926年8月13日~2016年11月25日
- キューバ出身
- 革命家、政治家、弁護士
英文
“As we know, while our species remains alive, everybody has the sacred duty to be optimistic. Ethically, any other behaviour wouldn’t be admissible.”
日本語訳
「ご存じの通り、我々の種が生きている限り、誰もが楽観的であるという神聖な義務を負っている。倫理的に見て、それ以外の態度は容認され得ない」
解説
この言葉は、希望を持つことを単なる感情ではなく、倫理的責務として位置づけるフィデル・カストロの人間観と政治哲学を端的に表している。彼は、戦争、貧困、環境破壊といった人類を脅かす危機の中にあっても、生き延びている限り行動と再生の可能性があるという根源的な楽観主義を貫いていた。この「神聖な義務」という表現には、個人の気分や選択を超えた普遍的価値としての希望の重要性が込められている。
また、「倫理的にそれ以外の態度は容認されない」という断言は、悲観や無関心は人類全体への責任放棄であるという厳しい倫理的立場を示している。これは、政治家や活動家だけでなく、すべての人間が人類という共同体の未来に対して責任を負っているというカストロの思想に通じている。希望を持つことは、生きることそのものの肯定であり、未来への投資であるという考えが前提にある。
現代においてこの言葉は、地球規模の課題に直面する私たちすべてに対する覚醒の呼びかけとして響く。悲観的現実が重くのしかかる中でも、行動する者の責任は「希望を持ち続けること」であるという思想は、倫理と政治の境界を超えた人間的姿勢として再評価されるべきである。カストロのこの発言は、未来に背を向けずに立ち向かう者にとっての指針であり、信念を持って生きるための道徳的命令として存在する。
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