「現代の芸術家は技巧と暴力によって生きねばならない。彼の神々は暴力的な神々である。その闘争を作品に示さない、いわゆる芸術家たちはつまらない存在である」

- 1885年10月30日~1972年11月1日(87歳没)
- アメリカ合衆国出身
- 詩人、批評家、翻訳家
英文
“The modern artist must live by craft and violence. His gods are violent gods. Those artists, so called, whose work does not show this strife, are uninteresting.”
日本語訳
「現代の芸術家は技巧と暴力によって生きねばならない。彼の神々は暴力的な神々である。その闘争を作品に示さない、いわゆる芸術家たちはつまらない存在である」
解説
この言葉は、現代芸術において技巧と闘争性が不可欠であるというパウンドの思想を表している。ここで言う「暴力」とは単なる破壊衝動ではなく、既存の形式や価値観を打ち破る激しい力を指す。芸術家はその力と技巧を駆使して新しい表現を切り開かなければならず、もし闘争の痕跡が作品に見えないならば、その芸術は生気を欠いているとされる。
パウンドはモダニズムの旗手として、20世紀初頭の芸術革新に深く関わった。彼にとって芸術は穏やかな安定の産物ではなく、伝統との葛藤や社会との緊張から生まれるものであった。ゆえに「暴力的な神々」という表現は、芸術の神聖性を逆説的に語りつつ、創造の背後にある破壊と革新の力を示している。
現代においても、この言葉は創造には必ず既存との摩擦が伴うという教訓を与える。例えば、革新的な科学理論や社会運動、前衛的な芸術作品はいずれも従来の価値体系に挑戦し、時に激しい反発を受ける。しかしその葛藤こそが新しいものを生み出す源泉である。パウンドの言葉は、創造に必要なのは単なる技巧だけでなく、闘争を恐れない姿勢であると教えているのである。
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