「宗教とは、ああ、芸術を大衆化しようとした試みから生じた数多くの失敗のうちの一つにすぎない」

エズラ・パウンド(画像はイメージです)
  • 1885年10月30日~1972年11月1日(87歳没)
  • アメリカ合衆国出身
  • 詩人、批評家、翻訳家

英文

“Religion, oh, just another of those numerous failures resulting from an attempt to popularize art.”

日本語訳

「宗教とは、ああ、芸術を大衆化しようとした試みから生じた数多くの失敗のうちの一つにすぎない」

出典

出典不詳(編集中)

解説

この言葉は、宗教を芸術の大衆化の失敗例とみなす挑発的な見解である。エズラ・パウンドにとって、宗教的儀式や象徴は本来芸術的要素を多分に含んでいるが、それを大衆に広めようとした結果、本質的な美や精神性が薄まり、形式的で陳腐なものに堕したと映ったのである。ここでは、宗教を芸術の純粋性を損なうものとして批判している。

背景には、パウンドの芸術至上主義的な思想がある。彼は詩や音楽、美術を人間精神の高次の表現とみなし、それを単純化して大衆に迎合させることを嫌った。宗教が芸術的表現を取り込みつつ、それを信仰体系として普及させたことは、彼にとって「芸術の堕落」として捉えられたのである。

現代に応用すれば、この言葉は芸術と大衆化の関係を考える視点を与える。映画や音楽、文学などもまた、芸術性を失って商業主義に偏ると凡庸な作品に堕してしまうことがある。パウンドの皮肉は、宗教という例を通じて、芸術を大衆に届けることと芸術の純粋性を守ることの緊張関係を鋭く突きつけているのである。

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