「もしクエーカー教徒が音楽を禁じた理由が、教会音楽があまりにもひどいからだと信じられるなら、私は彼らを好意的に見るだろう」

エズラ・パウンド(画像はイメージです)
  • 1885年10月30日~1972年11月1日(87歳没)
  • アメリカ合衆国出身
  • 詩人、批評家、翻訳家

英文

“If I could believe the Quakers banned music because church music is so damn bad, I should view them with approval.”

日本語訳

「もしクエーカー教徒が音楽を禁じた理由が、教会音楽があまりにもひどいからだと信じられるなら、私は彼らを好意的に見るだろう」

出典

出典不詳(編集中)

解説

この言葉は、宗教音楽の質への辛辣な批判を含んでいる。エズラ・パウンドは、もしクエーカー教徒が宗教的理由ではなく、単純に教会音楽の芸術的貧しさを嫌って音楽を禁じたのだとすれば、それは理解できるし評価できる、と皮肉を込めて述べている。ここでは、芸術の質に対する妥協のなさが示されている。

パウンドは芸術において、形式や技巧の水準を極めて重視した人物であった。20世紀初頭の彼にとって、保守的で停滞した宗教音楽は、美的にも精神的にも刺激を欠いたものであり、芸術としての力を失っていた。ゆえに彼は、宗教的禁欲よりもむしろ、質の低い音楽を拒絶する立場に共感を見出したのである。

現代においても、この言葉は芸術の本質は形式的な伝統維持ではなく、質そのものであるという視点を与える。宗教や制度の中で形式だけが守られ、内容が退屈で凡庸になれば、それは芸術としての力を失う。パウンドの皮肉は、芸術を生き生きと保つために、本質的な美的基準を見失うべきではないという警告として受け取ることができる。

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