「人類とは豊かな流出物であり、廃棄物であり、肥やしであり、土壌である。そしてその中から芸術という木が育つ」

エズラ・パウンド(画像はイメージです)
  • 1885年10月30日~1972年11月1日(87歳没)
  • アメリカ合衆国出身
  • 詩人、批評家、翻訳家

英文

“Humanity is the rich effluvium, it is the waste and the manure and the soil, and from it grows the tree of the arts.”

日本語訳

「人類とは豊かな流出物であり、廃棄物であり、肥やしであり、土壌である。そしてその中から芸術という木が育つ」

出典

出典不詳(編集中)

解説

この言葉は、芸術の源泉を人間そのものの営みや存在の総体に見いだすパウンドの比喩である。人間社会には汚れや混沌、廃棄物のような側面があるが、それらを含んだ全体としての人間性が、芸術を育む土壌になる。つまり芸術は、完璧な秩序や純粋さからではなく、人間の不完全さや複雑さからこそ生まれるのである。

エズラ・パウンドは、芸術を抽象的な理想ではなく、人間の生活と歴史に根ざした生きた表現と考えていた。彼の詩作や批評もまた、社会の矛盾や人間の本質を背景にして生み出されており、この言葉はそうした芸術観を端的に示している。芸術の木は大地から切り離されて存在するのではなく、人間社会という肥沃で混沌とした現実に根を張っているのである。

現代においても、この比喩は説得力を持つ。芸術作品はしばしば苦しみや不条理、矛盾といった人間の負の側面から生まれるが、それらが逆に普遍的な美や真理を表現する力となる。パウンドの言葉は、芸術は人間の汚れや不完全さを糧として成長する生命体であることを教えているのである。

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