「いかに『不道徳』とされようとも、良き芸術は完全に美徳のものである。良き芸術が不道徳であり得るはずがない。私が良き芸術というのは、真実を証言する芸術、最も精確である芸術を意味する」

エズラ・パウンド(画像はイメージです)
  • 1885年10月30日~1972年11月1日(87歳没)
  • アメリカ合衆国出身
  • 詩人、批評家、翻訳家

英文

“Good art however ‘immoral’ is wholly a thing of virtue. Good art can NOT be immoral. By good art I mean art that bears true witness, I mean the art that is most precise.”

日本語訳

「いかに『不道徳』とされようとも、良き芸術は完全に美徳のものである。良き芸術が不道徳であり得るはずがない。私が良き芸術というのは、真実を証言する芸術、最も精確である芸術を意味する」

出典

出典不詳(編集中)

解説

この言葉は、芸術における道徳と真実の関係を論じている。パウンドにとって、良き芸術とは社会的・宗教的基準によって「不道徳」と非難されるものであっても、真実を正確に描き出すならば、それ自体が美徳である。つまり、芸術の価値は外部の倫理規範ではなく、現実や感情をどれだけ精密に証言できるかにかかっているという考えである。

背景には、パウンドの芸術観がある。彼は詩や文学を言語の最も正確な使用と定義し、曖昧さや虚偽を嫌った。芸術が真実の証人となるとき、それは本質的に「善」であり、表面的な道徳批判を超えて価値を持つ。この考え方は、モダニズム文学の特徴である徹底したリアリズムと表現の精確さに通じている。

現代においても、この言葉は重要な意味を持つ。芸術はしばしば「不道徳」と批判される題材を扱うが、もしそれが人間の真実を誠実に描いているならば、その作品は高い価値を持つ。パウンドのこの警句は、芸術の本当の倫理性は外的規範ではなく、真実への誠実さにあるという普遍的な原則を示しているのである。

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