「科学者が課すものはただ二つ、すなわち真理と誠実であり、それを自らに、そして他の科学者にも課すのである」

エルヴィン・シュレーディンガー(画像はイメージです)
エルヴィン・シュレーディンガー(画像はイメージです)
  • 1887年8月12日~1961年1月4日(73歳没)
  • オーストリア出身
  • 理論物理学者

英文

”The scientist only imposes two things, namely truth and sincerity, imposes them upon himself and upon other scientists.”

日本語訳

「科学者が課すものはただ二つ、すなわち真理と誠実であり、それを自らに、そして他の科学者にも課すのである」

解説

この言葉はシュレーディンガーが科学者の倫理について述べたものである。科学の営みは権力や利得のためではなく、真理の探究誠実な態度に基づくべきだという強い信念が表れている。ここで言う「真理」とは自然の法則をありのままに見極めようとする姿勢であり、「誠実」とはその結果を歪めず、自己欺瞞や虚偽を排する態度を指す。

時代背景を踏まえると、20世紀前半は科学が急速に進展し、その成果が戦争や政治に利用されることが増えた時代であった。核兵器の開発や科学技術の軍事利用が現実となり、科学者の責任が問われる場面が多かった。シュレーディンガーはこの状況に対し、科学者に求められる最低限の規範として真理と誠実の遵守を強調したと考えられる。

現代においてもこの言葉は深い意味を持つ。研究不正やデータ改ざんが社会問題となる中で、科学の信頼性を担保するのは誠実な研究態度にほかならない。また、AIやバイオテクノロジーの進展に伴い、科学の成果が社会に与える影響はますます大きくなっている。この名言は、科学者が持つべき根本的な倫理を普遍的に示しているのである。

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