「私たちを遠い国へと運ぶに、書物ほどの軍艦はなく
躍るような詩の一頁ほどの駿馬もまた存在しません」

エミリー・ディキンソンの名言・格言・警句
エミリー・ディキンソンの名言・格言・警句(画像はイメージです)
  • 1830年12月10日~1886年5月15日(55歳没)
  • アメリカ合衆国出身
  • 詩人

英文

”There is no Frigate like a book to take us lands away
Nor any coursers like a page of prancing Poetry.”

日本語訳

「私たちを遠い国へと運ぶに、書物ほどの軍艦はなく
躍るような詩の一頁ほどの駿馬もまた存在しません」

解説

この言葉は、文学、特に詩がもつ想像力の力と、その移動性・解放性を称える詩的賛歌である。エミリー・ディキンソンは、実際に旅を多くしなかった詩人でありながら、言葉を通して世界と宇宙を自在に旅した。この一節は、まさにその精神的航海の宣言である。

Frigate(軍艦)」は、当時の長距離航行の象徴であり、「book(書物)」がそれに例えられることで、本が私たちを身体的制約を超えて「lands away(遠い地)」へと運ぶ乗り物であることが強調されている。一方、「coursers(駿馬)」は速く、美しく駆ける馬のことであり、「page of prancing Poetry(躍る詩の一頁)」は、詩の一行一行がまるで生命をもったように読者を動かす力をもつことを示している。

この名言は、現代においてもなお、読書と詩の持つ移動力・変容力・想像力の重要性を鮮烈に伝えてくれる。ディキンソンは、紙とインクという物理的に小さな存在が、時空間を超えて魂を運ぶ舟であり、馬であることを詩的に証明し、人間の内なる旅がいかに豊かで力強いかを語っているのである。

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