「私は今、肖像画を持っていませんが、小さくて、ミソサザイのようです。髪は栗のいがのように力強く、目は、客が残したグラスの中のシェリー酒のようです」

エミリー・ディキンソンの名言・格言・警句
エミリー・ディキンソンの名言・格言・警句(画像はイメージです)
  • 1830年12月10日~1886年5月15日(55歳没)
  • アメリカ合衆国出身
  • 詩人

英文

”I had no portrait, now, but am small, like the wren; and my hair is bold, like the chestnut bur; and my eyes, like the sherry in the glass, that the guest leaves.”

日本語訳

「私は今、肖像画を持っていませんが、小さくて、ミソサザイのようです。髪は栗のいがのように力強く、目は、客が残したグラスの中のシェリー酒のようです」

解説

この言葉は、自身の姿を詩的で比喩的に描いた、エミリー・ディキンソンの自己表現である。彼女は視覚的な肖像を持たないとしながらも、自然の要素や日常の一瞬を使って、静かに個性と存在感を語っている。名声や外見ではなく、詩的な想像によって伝わる「私」がここにある。

small, like the wren(ミソサザイのように小さい)」という言葉は、彼女の控えめな存在を象徴しつつも、ミソサザイという鳥がもつ鋭い声と活発さをも想起させる。「hair is bold, like the chestnut bur(栗のいがのように力強い髪)」では、彼女の外見の一部に意志や抵抗のような強さを読み取ることができる。そして「eyes, like the sherry in the glass, that the guest leaves(客が残したグラスの中のシェリー酒のような目)」という部分には、哀愁や余韻、他者との距離感**がにじんでいる。

この名言は、「他人の描く像」ではなく「自分の言葉」で自分を描くという、詩人としての信念を反映している。肖像画に代わるイメージとして自然や日常のものを選ぶことで、エミリー・ディキンソン自身が、いかに言葉によって存在を示そうとしたかが明確に伝わってくる。これは、外見や評価に頼らず、内面の真実を詩によって伝えることの力強さを証明する一節である。

感想はコメント欄へ

この名言に触れて、あなたの感想や名言に関する話などを是非コメント欄に書いてみませんか?

「ディキンソン」の前後の名言へ


申し込む
注目する
guest

0 Comments
最も古い
最も新しい 高評価
インラインフィードバック
すべてのコメントを見る