「死ぬことは荒れた夜であり、新しい道です」

エミリー・ディキンソンの名言・格言・警句
エミリー・ディキンソンの名言・格言・警句(画像はイメージです)
  • 1830年12月10日~1886年5月15日(55歳没)
  • アメリカ合衆国出身
  • 詩人

英文

”Dying is a wild night and a new road.”

日本語訳

「死ぬことは荒れた夜であり、新しい道です」

解説

この言葉は、死という出来事を単なる終わりではなく、激しさと未知の始まりとして描く、エミリー・ディキンソンの詩的な死生観を示している。「wild night(荒れた夜)」は、死に至る過程の苦痛や混乱、あるいは感情の激流を象徴し、「new road(新しい道)」はその先にある未知なる存在、もしくは霊的な旅路を暗示している。

ディキンソンにとって死は、恐怖や絶望だけで語られるものではなく、変容と移行を伴う瞬間であった。「夜」は古くから死の比喩として用いられてきたが、ここでは「wild(荒れた)」という語によって、ただ静かに眠るのではない、生命の激しい終焉の様相が描き出されている。一方で、「新しい道」という語句が添えられることで、死の先に希望や再生の可能性をも含ませている

現代においてもこの言葉は、死を語る際の一つの視座として重要である。死を終止符ではなく、人生という詩の一行のように捉える感性は、死への恐れを和らげるとともに、それを含めた生の全体を豊かに見つめることを可能にする。ディキンソンはこの短い一文で、死の激しさと神秘、そしてその先に広がる道への静かな期待を同時に語っているのである。

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