「英連邦が何でないかを定義するのはたやすいことです。実際、それはかなり人気のある気晴らしのようです」

エリザベス2世の名言・格言・警句(画像はイメージです)
エリザベス2世の名言・格言・警句(画像はイメージです)
  • 1926年4月21日~2022年9月8日
  • イギリス出身
  • イギリス女王

英文

“It is easy enough to define what the Commonwealth is not. Indeed this is quite a popular pastime.”

日本語訳

「英連邦が何でないかを定義するのはたやすいことです。実際、それはかなり人気のある気晴らしのようです」

解説

この発言は、エリザベス2世が英連邦(Commonwealth)の役割と本質について語った際の一節であり、制度の曖昧さと誤解されやすさにユーモアを交えて言及したものである。英連邦は明確な憲法や一元的な権力構造を持たないため、何でないかを挙げるほうが簡単であるという皮肉が込められている

define what the Commonwealth is not(英連邦が何でないかを定義する)」という表現は、軍事同盟でも超国家組織でもないという点で、よく誤解されがちなその性質を逆説的に浮かび上がらせている。そして「a popular pastime(人気のある気晴らし)」という語句は、批評や議論がしばしば本質を見失い、否定的な定義に終始する傾向への軽妙な警告でもある。

この言葉は、英連邦という枠組みが、形式よりも精神的な絆や共有された価値観に基づいて成り立っているという事実を、逆説的に示す巧みな言い回しである。エリザベス2世はこの発言を通じて、制度の複雑さを認めつつも、それを支える信頼と協調の価値を再確認させる意図を持っていた。つまり、英連邦の真価は「何でないか」ではなく、「何であるか」を理解しようとする努力にあるというメッセージが込められている。

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