「私は誠実な心をもって、皆さまへの奉仕を誓いました。そして多くの皆さまが私への忠誠を誓ってくださっているように、生涯を通じて、心を尽くして皆さまの信頼に値する者であろうと努めてまいります」

- 1926年4月21日~2022年9月8日
- イギリス出身
- イギリス女王
英文
“I have in sincerity pledged myself to your service, as so many of you are pledged to mine. Throughout all my life and with all my heart I shall strive to be worthy of your trust.”
日本語訳
「私は誠実な心をもって、皆さまへの奉仕を誓いました。そして多くの皆さまが私への忠誠を誓ってくださっているように、生涯を通じて、心を尽くして皆さまの信頼に値する者であろうと努めてまいります」
解説
この発言は、エリザベス2世が1952年の即位後間もなく国民に向けて行ったラジオ演説で述べたものであり、君主としての責任と決意を明確に示した宣言である。王室の象徴的存在である彼女が、自らを民に仕える存在と位置づけたことは、君主制の現代的意義を語るうえで極めて重要な言葉である。
ここでの核心は、「奉仕(service)」と「信頼(trust)」である。エリザベス2世は、支配者ではなく奉仕者としての君主像を打ち出し、互いの忠誠が相互の信頼によって支えられる関係性を強調している。この視点は、20世紀後半の立憲君主制における女王の姿勢を象徴するものであり、形式的な権威ではなく道義的な責任に根ざしたリーダーシップを体現していた。
この言葉は、君主であれ一般市民であれ、信頼に値する人物であり続ける努力の重要性を教えている。特に現代社会においては、権威や地位よりも、誠実さと一貫性こそが人々の支持を得るために不可欠な資質である。エリザベス2世はこの言葉によって、生涯を通じて果たした誓約と忠誠のあり方を明確に示し続けたのである。
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