「私は皆さまを戦場に導くことはできません。法律を定めることも、正義を執行することもありません。しかし私にできることが一つあります――それは、私の心と献身を、この古き島々と、我らが国家共同体に属するすべての人々に捧げることです」

- 1926年4月21日~2022年9月8日
- イギリス出身
- イギリス女王
英文
“I cannot lead you into battle. I do not give you laws or administer justice but I can do something else – I can give my heart and my devotion to these old islands and to all the peoples of our brotherhood of nations.”
日本語訳
「私は皆さまを戦場に導くことはできません。法律を定めることも、正義を執行することもありません。しかし私にできることが一つあります――それは、私の心と献身を、この古き島々と、我らが国家共同体に属するすべての人々に捧げることです」
解説
この発言は、1957年にエリザベス2世がテレビを通じて行った、英国君主として初のクリスマスメッセージで語られたものである。彼女はここで、君主の役割が政治的・軍事的権限から離れたものであることを認めながらも、精神的・象徴的リーダーシップの価値を明確に宣言した。
「I cannot lead you into battle(私は皆さまを戦場に導くことはできません)」や「I do not give you laws or administer justice(法律を定めたり、正義を執行することはできません)」という言葉は、立憲君主制における王室の制限された機能と中立性を素直に認めたうえで、君主の真の役割がどこにあるのかを示す導入となっている。
そのうえで語られる「I can give my heart and my devotion(私の心と献身を捧げることはできる)」という表現には、形式ではなく真の意味で国民と国家に尽くす姿勢がにじむ。そして「these old islands(この古き島々)」や「brotherhood of nations(国家の兄弟共同体)」といった言葉は、英国と英連邦の歴史的絆と道義的結びつきを強く意識した表現**であり、君主としての女王の誠実な覚悟と精神的支柱としての存在感を浮き彫りにするものである。
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