「私自身は帝国の者ではなく、エリザベス自身にそれだけの値打ちがないかもしれませんが、イングランドの女王であるならば、皇帝の子息と結婚するにふさわしい存在となるでしょう」

- 1533年9月7日~1603年3月24日
- イングランド出身
- イングランド女王
英文
“Though I am not imperial, and though Elizabeth may not deserve it, the Queen of England will easily deserve to have an emperor’s son to marry.”
日本語訳
「私自身は帝国の者ではなく、エリザベス自身にそれだけの値打ちがないかもしれませんが、イングランドの女王であるならば、皇帝の子息と結婚するにふさわしい存在となるでしょう」
解説
この言葉は、王権と個人の価値を峻別しながらも、王位そのものの威厳を擁護する意図が込められている。エリザベス1世はここで、たとえ自分という人間が皇帝の子と結婚するに値しないとしても、イングランド王位の権威と国家の格はそれを正当化すると主張している。自己卑下と王権肯定を巧みに使い分ける外交的表現である。
この発言は、おそらく神聖ローマ帝国などとの王族間の結婚交渉をめぐる文脈において語られたと考えられる。当時のヨーロッパにおいて、王族の婚姻は政治的連携や勢力均衡に直結しており、エリザベス1世は生涯独身であったものの、自国の地位を高めるために婚姻交渉を巧みに利用していた。この言葉には、国家主権の尊厳と女性統治者としての自尊心が込められている。
現代においてもこの言葉は、自己を卑下しすぎず、同時に立場と責任に誇りを持つことの重要性を語っている。個人としての限界があっても、自分が担う役割や組織の価値を正当に評価する姿勢は、あらゆるリーダーに求められるものである。自らの立場に誇りを持ち、堂々と交渉する気骨が、この一言に凝縮されている。
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