「この私にとって、死すべき敵が願う最も大きな害とは、イングランドの憎しみを受けること以上のものではありません。それが私に降りかかるくらいなら、死の方がまだましです」

- 1533年9月7日~1603年3月24日
- イングランド出身
- イングランド女王
英文
“My mortal foe can no ways wish me a greater harm than England’s hate; neither should death be less welcome unto me than such a mishap betide me.”
日本語訳
「この私にとって、死すべき敵が願う最も大きな害とは、イングランドの憎しみを受けること以上のものではありません。それが私に降りかかるくらいなら、死の方がまだましです」
解説
この言葉は、エリザベス1世の祖国への深い忠誠と、国民の信頼を失うことへの強烈な恐れを示している。彼女にとって、敵の憎しみや死そのものよりも、イングランドという国とその民に嫌われることの方が、はるかに耐え難い苦しみだった。これは、国家の象徴としての自覚と、統治者としての誠実な姿勢を物語る言葉である。
この発言は、「ゴールデン・スピーチ」と呼ばれる1601年の議会演説の一節であり、彼女の晩年における国民への最後の愛の表明でもある。長年の統治の中で、エリザベスは権力者であると同時に、民に支えられる存在であることを深く理解していた。国の支持がなければ王としての存在は無に等しく、その信頼を失うことは死にも等しい悲劇であるという、痛切な覚悟が伝わってくる。
現代においてもこの名言は、リーダーにとって最も重要なのは、地位や権限ではなく人々の信頼であるという教訓を与えてくれる。民の支持を失えば、いかに制度上の権力を保っていても、その影響力と正統性は失われる。この言葉は、信頼は最大の資産であり、失えばすべてを失うに等しいという普遍的な真理を力強く語っている。
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