「苦しむ者に同情することは、私たち女性の性に備わる自然な美徳です」

エリザベス1世の名言・格言・警句(画像はイメージです)
  • 1533年9月7日~1603年3月24日
  • イングランド出身
  • イングランド女王

英文

“It is a natural virtue incident to our sex to be pitiful of those that are afflicted.”

日本語訳

「苦しむ者に同情することは、私たち女性の性に備わる自然な美徳です」

解説

この言葉は、女性特有の慈悲深さ共感性に価値を置く思想を示している。エリザベス1世がこのように語ったとされる背景には、当時のジェンダー観と王としての自覚の折り合いがあったと考えられる。王という権威の座にある自分であっても、女性としての本質的な優しさを否定せず、むしろそれを統治に活かそうとする姿勢がうかがえる。

16世紀のヨーロッパでは、女性は感情的で従属的であると見なされがちであり、女性が国家を統べることには多くの偏見があった。そうした中で彼女は、女性的感性がむしろ治世において価値あるものであると主張することで、性別への偏見を覆そうとした。この言葉は、権力と性の両立に葛藤しつつも、両者を肯定的に結びつける政治的・倫理的意図を含んでいる。

現代においても、この言葉は共感と優しさをもって他者の苦しみに向き合うことの価値を説くものとして読み替えられる。リーダーに求められるのは冷酷な判断力だけではなく、痛みに共鳴し、寄り添う人間的資質である。性別を問わず、人間の基本的な徳としての「同情の力」は、今なお重要である。

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