「私がアイルランドの統治に送ったのは羊飼いではなく狼だったようです。彼らが私に残したのは、治めるべき灰と死体ばかりなのです」

エリザベス1世の名言・格言・警句(画像はイメージです)
  • 1533年9月7日~1603年3月24日
  • イングランド出身
  • イングランド女王

英文

“I find that I sent wolves not shepherds to govern Ireland, for they have left me nothing but ashes and carcasses to reign over!”

日本語訳

「私がアイルランドの統治に送ったのは羊飼いではなく狼だったようです。彼らが私に残したのは、治めるべき灰と死体ばかりなのです」

解説

この言葉は、エリザベス1世がアイルランド統治における部下の残虐行為に憤った様子を表している。彼女は、本来庇護と秩序をもたらすべき統治者(羊飼い)として人材を送り込んだつもりであったが、実際には略奪と暴力を繰り返す狼のような者たちが、支配地に破壊と死をもたらしたと痛烈に非難している。この言葉は、王としての責任と悔恨の入り混じった自己批判でもある。

16世紀のアイルランド政策は、イングランドにとって常に不安定な課題であり、反乱と弾圧が繰り返された地であった。エリザベスは治安維持のために将軍や代官を派遣したが、彼らの中には過剰な暴力で威圧しようとする者も多く、民心の離反と荒廃を招いた。この言葉は、道徳なき権力行使がもたらす悲劇を端的に物語っている。

現代においても、この名言はリーダーが任命する者の資質と行動に対する責任を深く考えさせる。組織運営や国家政策において、人選の誤りが取り返しのつかない損害を生むことは多々ある。統治とは支配ではなく守ることであるという理念は、今なお世界各地の政治に通じる普遍的な教訓である。

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