「重大な決定は、しばしば全員が男性で構成された機関で発案され形づくられるか、男性に完全に支配されており、女性が持つ特有の価値ある意見が表に出ることなく脇に追いやられてしまうのです」

エレノア・ルーズベルトの名言・格言・警句(画像はイメージです)
エレノア・ルーズベルトの名言・格言・警句(画像はイメージです)
  • 1884年10月11日~1962年11月7日
  • アメリカ合衆国出身
  • 大統領夫人(ファーストレディ)、人権活動家、外交官、作家

英文

“Too often the great decisions are originated and given form in bodies made up wholly of men, or so completely dominated by them that whatever of special value women have to offer is shunted aside without expression.”

日本語訳

「重大な決定は、しばしば全員が男性で構成された機関で発案され形づくられるか、男性に完全に支配されており、女性が持つ特有の価値ある意見が表に出ることなく脇に追いやられてしまうのです」

解説

この名言は、意思決定の場における構造的なジェンダー不平等を鋭く指摘した言葉である。歴史的にも現代においても、政治、経済、教育などの重要な判断は、男性中心の集団によって行われることが多く、女性の視点や知見が組織的に排除される傾向がある。ルーズベルトはこの状況に対し、女性固有の貢献が正当に評価され、表現されるべきだという正義感と危機感を訴えている

エレノア・ルーズベルト自身、国連人権委員会の議長として国際的な文書に女性の視点を盛り込むことに尽力し、またアメリカ国内でも女性の政治的・社会的地位向上に取り組んだ。この言葉は、彼女の現場での経験から生まれたものであり、単なる理念ではなく、現実の不平等に根ざした実践的な批判である。意思決定の構造が偏っていれば、社会全体の公正もまた失われるという警告が込められている。

現代でも、多くの組織でリーダー層に女性が少ない現状が続いており、この名言は今なお有効である。女性の声が表に出ない社会は、その分だけ知恵や共感、解決力を失っている。この名言は、誰もが意思決定に参加できる社会を目指すうえで、構造的偏りを放置してはならないという原則を明確に示している多様な視点のない判断は、真に偉大な決定とはなり得ないという真理が、ここにある。

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