「正義は一方のためだけにあるものではなく、双方のためにあるべきものです」

エレノア・ルーズベルトの名言・格言・警句(画像はイメージです)
エレノア・ルーズベルトの名言・格言・警句(画像はイメージです)
  • 1884年10月11日~1962年11月7日
  • アメリカ合衆国出身
  • 大統領夫人(ファーストレディ)、人権活動家、外交官、作家

英文

“Justice cannot be for one side alone, but must be for both.”

日本語訳

「正義は一方のためだけにあるものではなく、双方のためにあるべきものです」

解説

この名言は、真の正義とは公平性と普遍性を備えたものでなければならないという原則を、簡潔かつ力強く表現している。正義が特定の立場や集団に偏ったものであれば、それは単なる力の行使や報復にすぎず、本質的な公正とは言えない。正義とは、対立する双方の立場や権利を等しく考慮し、共通の基準のもとで判断されるべきものであるという、民主主義と法の精神の核心が込められている。

エレノア・ルーズベルトは、国際連合人権委員会の議長として「世界人権宣言」の起草に関わり、すべての人間の尊厳と平等を前提とした国際的な正義の確立に尽力した人物である。この言葉も、彼女が国内外で多くの紛争や差別と向き合ってきた経験の中から、一方的な立場に偏る危険性と、公平さの必要性を痛感していたことの証である。

現代でも、政治的・社会的対立が激化する中で、「正義」という言葉がしばしば主観的に使われる。この名言は、どちらか一方に正義があると断じる前に、双方の声に耳を傾け、共通の基準で判断することが不可欠であると警告する。正義とは、勝者の都合ではなく、人類全体の信頼と秩序を支える原理でなければならない。この言葉は、真の正義の条件を静かに、しかし揺るぎなく示している。

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