「野心には容赦がありません。自らの役に立たない才能は、どんなものであれ、軽蔑の対象とするのです」

エレノア・ルーズベルトの名言・格言・警句(画像はイメージです)
エレノア・ルーズベルトの名言・格言・警句(画像はイメージです)
  • 1884年10月11日~1962年11月7日
  • アメリカ合衆国出身
  • 大統領夫人(ファーストレディ)、人権活動家、外交官、作家

英文

“Ambition is pitiless. Any merit that it cannot use it finds despicable.”

日本語訳

「野心には容赦がありません。自らの役に立たない才能は、どんなものであれ、軽蔑の対象とするのです」

解説

この名言は、野心というものが持つ冷酷さと功利性への警鐘を鳴らす言葉である。本来、美徳や才能はそれ自体で尊重されるべきものであるが、野心に支配された者にとっては、それが役立つか否かという尺度でしか価値が判断されない。このような視点に立つと、他者の人格や能力は「利用価値があるかどうか」でしか見られず、人間関係も道具化される。その結果、役に立たない美徳や無欲の人間性は、軽蔑され、無視される運命にあるという警告が込められている。

エレノア・ルーズベルトは、社会的使命感と道徳性を重んじる人物であり、権力や名声を目的とする野心的行動には一貫して批判的であった。彼女がこのような発言をしたとすれば、それは真に価値あるものが、野心によって踏みにじられる現実への怒りと悲しみの表れである。人間性や誠実さが評価されるべきであり、功利的で冷淡な野心に支配される社会は危ういという信念がにじんでいる。

現代においても、結果や成果ばかりが重視される風潮の中で、協調性や思いやりといった「直接役立たない」とされる美徳が軽んじられる傾向がある。この名言は、本来称賛されるべき人間性が、野心にとって「利用できない」という理由で否定されることの理不尽さを浮き彫りにする。社会において真に大切な価値とは何かを問い直すための鋭い視座を提供している言葉である。

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