「この私の机は、人が命を落とすことはあっても、辞任することはできない場所だ」

ドワイト・D・アイゼンハワーの名言・格言・警句(画像はイメージです)
ドワイト・D・アイゼンハワーの名言・格言・警句(画像はイメージです)
  • 1890年10月14日~1969年3月28日
  • アメリカ合衆国出身
  • 第34代アメリカ合衆国大統領、軍人、政治家

英文

“This desk of mine is one at which a man may die, but from which he cannot resign.”

日本語訳

「この私の机は、人が命を落とすことはあっても、辞任することはできない場所だ」

解説

この名言は、大統領という職責の重さと、それに伴う絶対的な責任感を象徴する言葉である。アイゼンハワーは、合衆国大統領としてホワイトハウスの執務机に座ることの意味を、単なる職務の遂行ではなく、命をかけてでも全うしなければならない責務として捉えていた。この発言には、国家の最終的な判断を下す者としての孤独と、逃げることのできない重圧がにじんでいる。

「a man may die(人が死ぬかもしれない)」という表現は、戦争、外交、内政などの決断によって人命や国家の運命が左右されるという現実を背景にしている。一方で「but from which he cannot resign(しかし辞任はできない)」という言葉は、たとえ過酷であっても、任期中は逃れることなく責任を果たし続けねばならないという倫理的義務を強調している。ここには、リーダーの真価はその「逃げられなさ」の中にこそ問われるという厳粛な覚悟が表れている。

現代においても、政治的リーダーには絶えず厳しい判断と持続的な責任が求められる。この名言は、権力の魅力ではなく、その重さと犠牲に目を向けるリーダーシップの本質を教えてくれる。本当の指導者とは、自らの快楽や安全ではなく、公の使命のために最後まで席を離れない人物であるという、時代を超えた高潔な理念が、この一言には込められている。

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