「もしどの政党であれ、社会保障や失業保険を廃止し、労働法や農業政策を撤廃しようとすれば、その政党が以後の政治史に登場することは二度とないだろう」

ドワイト・D・アイゼンハワーの名言
ドワイト・D・アイゼンハワーの名言
  • アメリカ合衆国出身
  • 軍人、政治家、第34代アメリカ合衆国大統領
  • 第二次世界大戦中に連合国軍の最高司令官としてヨーロッパ戦線を指揮し、ノルマンディー上陸作戦を成功に導いた。大統領としては冷戦下の安定と経済成長を推進し、州間高速道路網の建設や公民権運動初期への対応でも知られている。

英文

“Should any political party attempt to abolish social security, unemployment insurance, and eliminate labor laws and farm programs, you would not hear of that party again in our political history.”

日本語訳

「もしどの政党であれ、社会保障や失業保険を廃止し、労働法や農業政策を撤廃しようとすれば、その政党が以後の政治史に登場することは二度とないだろう」

解説

この名言は、アメリカ国民の生活基盤を成す制度に対する圧倒的な支持と、それに反する政治勢力の命運の脆さを明示している。アイゼンハワーは共和党出身でありながら、ニューディール政策に基づく社会福祉制度の定着を受け入れ、むしろそれを国民的合意と見なしていた。この発言は、単なる党派の利害を超えて、政治家として何を守るべきかを明確に定義した発言である。

背景には、第二次世界大戦後の経済的繁栄とともに、社会保障制度や農業政策が全国的に広く支持され、国民生活に深く根ざしていたという事実がある。アイゼンハワーはこれらを「国民の当然の権利」と認識し、それに反する過激な小さな政府志向がアメリカ政治に受け入れられることはないと断言した。この言葉には、国民の生活を軽視する政治は自己崩壊するという強い現実認識が込められている。

現代においても、社会保障や福祉政策の見直しが議論の対象となる中で、政治がどこまで国民の基本的生活を保障するかは重要な論点である。この名言は、制度の有無以上に、それらを支える「国民の信任」を重視する政治哲学を表している。政策の正当性とは、その合理性だけでなく、国民の心にどれだけ根ざしているかによって決まるという教訓を、この言葉は鮮明に伝えている。

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