「政治とは、本来、自由な人々の権利と特権を守り、我が国の良き伝統と実りある遺産を守ろうとするすべての市民が担うべき“パートタイムの職業”であるべきなのだ」

- アメリカ合衆国出身
- 軍人、政治家、第34代アメリカ合衆国大統領
- 第二次世界大戦中に連合国軍の最高司令官としてヨーロッパ戦線を指揮し、ノルマンディー上陸作戦を成功に導いた。大統領としては冷戦下の安定と経済成長を推進し、州間高速道路網の建設や公民権運動初期への対応でも知られている。
英文
“Politics ought to be the part-time profession of every citizen who would protect the rights and privileges of free people and who would preserve what is good and fruitful in our national heritage.”
日本語訳
「政治とは、本来、自由な人々の権利と特権を守り、我が国の良き伝統と実りある遺産を守ろうとするすべての市民が担うべき“パートタイムの職業”であるべきなのだ」
解説
この名言は、民主主義における政治参加の重要性と、市民一人ひとりが国家の運命に関与すべき責任を説く力強い提言である。アイゼンハワーは、政治を一部の専門家や職業政治家に任せきりにすることの危険を強く認識しており、自由を守るためには、市民全体が関心と責任をもって政治に関わることが不可欠であると考えていた。
「part-time profession(パートタイムの職業)」という言葉には、政治にフルタイムで従事する必要はないが、全く無関心であってはならないという、バランスの取れた市民観が表れている。これは、日常生活の中に政治を取り入れ、投票や議論、情報への関心といった形で、誰もが政治に加担しうるという民主主義の原点を思い出させる呼びかけでもある。
現代において、政治への無関心やシニシズムが広がる中、この言葉は再び強い意味を持つ。国家の伝統と価値を守るとは、単に過去を賛美することではなく、今を生きる市民が積極的に関与して未来へと継承していくことである。アイゼンハワーのこの名言は、政治とは誰かのものではなく、「私たちみんなの責任」であるという、民主社会における最も基本的で力強いメッセージを発している。
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