「アメリカを傷つけることができるのは、アメリカ人だけである」

ドワイト・D・アイゼンハワーの名言・格言・警句(画像はイメージです)
ドワイト・D・アイゼンハワーの名言・格言・警句(画像はイメージです)
  • 1890年10月14日~1969年3月28日
  • アメリカ合衆国出身
  • 第34代アメリカ合衆国大統領、軍人、政治家

英文

“Only Americans can hurt America.”

日本語訳

「アメリカを傷つけることができるのは、アメリカ人だけである」

解説

この名言は、真の脅威は外敵ではなく、内なる無関心・分断・裏切りにあるという警告である。アイゼンハワーは、第二次世界大戦と冷戦という外部の脅威に立ち向かう時代を生きながらも、国家の存続と強さを決定づけるのは国民自身の意識と行動であると確信していた。国の未来を左右するのは、敵の攻撃よりも、国民の無責任・対立・道義の崩壊といった内側からの崩れであるという信念が、この言葉に表れている。

この言葉が重みをもつ背景には、冷戦下でのイデオロギー対立や国内のマッカーシズム、そして公民権運動の高まりがある。アイゼンハワーは、そうした緊張の中で、アメリカ人自身が法と倫理、団結と誠実さを失えば、どれだけ外敵に対抗しようとも国としての土台は揺らぐと訴えていた。国を守るとは、軍事的防衛だけでなく、価値と制度の内面的な防衛であるという思想である。

現代においても、政治的分断、フェイクニュース、信頼の崩壊といった「内なる敵」が社会の健全性を脅かしている。この名言は、自由と民主主義を守る最終的な責任は市民自身にあるという厳粛な自覚を促すものであり、国の未来を担うのは他でもない「私たち自身」であるという民主主義の核心を突いた言葉である。

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