「もし国際連合が一度でも、国際紛争が武力によって解決されうると認めてしまえば、そのとき我々は、国連という組織の基盤と、世界秩序を確立するという最大の希望を自ら壊してしまうことになる」

ドワイト・D・アイゼンハワーの名言
ドワイト・D・アイゼンハワーの名言
  • アメリカ合衆国出身
  • 軍人、政治家、第34代アメリカ合衆国大統領
  • 第二次世界大戦中に連合国軍の最高司令官としてヨーロッパ戦線を指揮し、ノルマンディー上陸作戦を成功に導いた。大統領としては冷戦下の安定と経済成長を推進し、州間高速道路網の建設や公民権運動初期への対応でも知られている。

英文

“If the United Nations once admits that international disputes can be settled by using force, then we will have destroyed the foundation of the organization and our best hope of establishing a world order.”

日本語訳

「もし国際連合が一度でも、国際紛争が武力によって解決されうると認めてしまえば、そのとき我々は、国連という組織の基盤と、世界秩序を確立するという最大の希望を自ら壊してしまうことになる」

解説

この名言は、国際連合の存在意義と、武力によらない紛争解決の原則の重要性を明確に訴える、アイゼンハワーの強い警告である。第二次世界大戦という未曾有の惨禍を経て設立された国連は、武力の行使を禁じ、平和的手段による調停・仲裁・交渉を国際秩序の柱として掲げた。アイゼンハワーはその理念を深く理解しており、その根幹を一度でも否定すれば、国連の正当性も未来の希望も崩壊すると明言したのである。

この発言の中で特に重要なのは、「once admits(たとえ一度でも認める)」という部分であり、武力の正当化が一度でも前例として許容されれば、今後のすべての紛争においてその例が踏襲され、平和的解決の道が閉ざされてしまうという危機意識が込められている。また「our best hope(我々にとっての最大の希望)」という表現には、戦争の連鎖を断ち切り、人類が協調して秩序を築く唯一の現実的手段が国連であるという信念が込められている。

現代においても、武力による侵略や紛争が続き、国連の機能不全が指摘される中、この名言は一層重みを増している。国際法と平和の原則を守るためには、例外を許さない厳格な立場こそが必要であり、力によらず理によって世界を治めるという理念を貫くことが、唯一の持続可能な世界秩序への道である。この言葉は、平和の根本原則を守る覚悟の必要性を私たちに問いかける、時代を超えた声明である。

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