「ペンを鋤の代わりにして、トウモロコシ畑から千マイルも離れていれば、農業なんていかにも簡単そうに見えるものだ」

- アメリカ合衆国出身
- 軍人、政治家、第34代アメリカ合衆国大統領
- 第二次世界大戦中に連合国軍の最高司令官としてヨーロッパ戦線を指揮し、ノルマンディー上陸作戦を成功に導いた。大統領としては冷戦下の安定と経済成長を推進し、州間高速道路網の建設や公民権運動初期への対応でも知られている。
英文
“Farming looks mighty easy when your plow is a pencil and you’re a thousand miles from the corn field.”
日本語訳
「ペンを鋤の代わりにして、トウモロコシ畑から千マイルも離れていれば、農業なんていかにも簡単そうに見えるものだ」
解説
この名言は、現場の苦労や現実を知らずに、遠く離れた場所で理屈だけを語る者への皮肉と批判を込めたものである。アイゼンハワーは中西部出身であり、農業の厳しさを身近に感じて育った。その経験を背景にして、現実を知らずに政策や意見を語る「机上の空論」への違和感を率直な比喩で表現している。
「your plow is a pencil(鋤がペン)」という表現は、現場での労働の代わりに書類や議論だけで物事を動かそうとする傾向を示し、「a thousand miles from the corn field(畑から千マイル離れている)」という言葉は、現実からの隔絶を象徴している。つまり、実際に汗を流すことなく語られる理屈は、しばしば本質を見誤るという警告である。
現代においても、都市部の政策立案者や評論家が、地方の現場や労働者の実情を把握せずに理論を語る構図は珍しくない。この名言は、真の理解と判断には現場への敬意と実体験に裏打ちされた知識が不可欠であるという教訓を伝えている。物事の本質は、遠くから見ただけでは決して掴めない──この一言は、行動する者の声に耳を傾けることの大切さを私たちに思い出させる。
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