「夢の中で私は再び聞く――砲声の轟き、小銃の連射音、そして戦場に響く奇妙で哀しげなざわめきを」

- 1880年1月26日~1964年4月5日
- アメリカ合衆国出身
- 軍人、陸軍元帥、統治官
- 太平洋戦争において連合国軍の司令官として活躍し、フィリピン解放や日本占領政策を主導。日本の戦後復興と民主化に大きな影響を与えた。名言「I shall return(私は必ず戻ってくる)」と共に、20世紀の軍事と外交の象徴的存在として知られている。
英文
“In my dreams I hear again the crash of guns, the rattle of musketry, the strange, mournful mutter of the battlefield.”
日本語訳
「夢の中で私は再び聞く――砲声の轟き、小銃の連射音、そして戦場に響く奇妙で哀しげなざわめきを」
解説
この名言は、戦争の記憶がマッカーサーの内面にいかに深く刻まれていたかを詩的に描写した一節である。彼が見た夢の中には、ただの懐古ではなく、戦場における生々しい音と感情の記憶が鮮やかに蘇ってくる。砲声や銃撃音は、単なる物理的な現象ではなく、生死を分ける瞬間を象徴する音として、彼の精神を今なお揺さぶっている。
「strange, mournful mutter(奇妙で哀しげなざわめき)」という表現は、戦場の不条理さと、そこに宿る悲しみや恐怖、そして敬意までも含んでいる。マッカーサーは将軍でありながら、戦争の栄光よりも、その背後にある犠牲と痛みを重く受け止めていた。この言葉は、彼が兵士としてだけでなく、一人の人間として戦争をどう記憶し、背負い続けていたかを如実に物語っている。
現代においてこの言葉は、戦争経験者が心に抱える「見えない傷」への理解を深める鍵ともなる。戦争が終わっても、その記憶は消えることなく、人の夢や日常にまで影を落とす。マッカーサーのこの言葉は、戦争を讃えるのではなく、記憶し、忘れてはならないものとして後世に伝える責任を感じさせる、静かだが深い戦争の証言である。
感想はコメント欄へ
この名言に触れて、あなたの感想や名言に関する話などを是非コメント欄に書いてみませんか?
申し込む
0 Comments
最も古い