「常に国内には恐るべき悪が、あるいは国外には我々を飲み込もうとする怪物のような強国が存在し、それに盲目的に団結しなければならないとされてきた」

ダグラス・マッカーサーの名言(画像はイメージです)
ダグラス・マッカーサーの名言(画像はイメージです)
  • 1880年1月26日~1964年4月5日
  • アメリカ合衆国出身
  • 軍人、陸軍元帥、統治官
  • 太平洋戦争において連合国軍の司令官として活躍し、フィリピン解放や日本占領政策を主導。日本の戦後復興と民主化に大きな影響を与えた。

英文

“Always there has been some terrible evil at home or some monstrous foreign power that was going to gobble us up if we did not blindly rally behind it.”

日本語訳

「常に国内には恐るべき悪が、あるいは国外には我々を飲み込もうとする怪物のような強国が存在し、それに盲目的に団結しなければならないとされてきた」

解説

この言葉は、国家がしばしば危機を誇張し、国民の団結を強制する構造への批判である。マッカーサーは、歴史を通じて繰り返されてきた「敵の脅威」という構図が、しばしば市民の判断力を奪い、批判を封じる手段として用いられてきたと看破している。ここで強調されるのは、「盲目的に(blindly)団結せよ」という要請に対する強い警戒心である。

このような現象は、特に戦時体制や冷戦下のアメリカに顕著であった。国内の反対意見や少数派を「内部の敵」と見なしたり、外国の脅威を過剰に煽ることで、愛国心という名の下に思考停止を促す政治手法が存在していた。マッカーサーは、そのような操作に抗するには、理性と自由な議論が不可欠であると訴えている。

現代社会においても、テロ、移民、疫病、地政学的対立といったテーマが、しばしば敵意や不安を煽る形で政治利用される。この名言は、そうした状況に対して、自ら思考し、権力の言説を鵜呑みにしない市民の姿勢が民主主義の基盤であることを再確認させる警句である。国家的危機の背後にある操作の意図を見抜く目を持つことの大切さが、この一文には込められている。

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