「節度を風に投げ捨てれば、最大の快楽は最大の苦痛をもたらす」

デモクリトス(画像はイメージです)
デモクリトス(画像はイメージです)
  • 紀元前460年頃~紀元前370年頃
  • 古代ギリシャ出身
  • 哲学者、自然哲学者、「原子論の提唱者」

英文

“Throw moderation to the winds, and the greatest pleasures bring the greatest pains.”

日本語訳

「節度を風に投げ捨てれば、最大の快楽は最大の苦痛をもたらす」

解説

この言葉は、快楽の追求と節度の重要性について語っている。デモクリトスは、無制限な欲望の追求がやがて破滅を招くことを強く戒めた。人間は快楽を求める存在であるが、それに溺れることは理性を失い、心身を乱す原因となる。節度(ソフロシュネー)は古代ギリシア倫理において重視された徳であり、それを失えば、快楽そのものが苦悩や後悔へと転化するのである。

デモクリトスの哲学は、快楽主義に見えてその実、節制と内的平静を重んじる思想である。この点は後のエピクロスにも受け継がれ、節度ある快楽が真の幸福をもたらすという倫理観が形成された。特に飲酒、食欲、性欲、富などにおける過剰な欲望は、結局自分自身を傷つけるという自覚を促している。

現代社会においても、消費主義や自己満足の追求がしばしば心の空虚や依存症、健康被害を招くことは広く知られている。ゆえにこの言葉は、自由や快楽を享受する上でも、節度と分別こそが不可欠であるという古代からの普遍的な教訓を今に伝えている。

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