「常に美しいものや新しいものを思索することは、神に似た行いである」

デモクリトス(画像はイメージです)
デモクリトス(画像はイメージです)
  • 紀元前460年頃~紀元前370年頃
  • 古代ギリシャ出身
  • 哲学者、自然哲学者、「原子論の提唱者」

英文

“It is godlike ever to think on something beautiful and on something new.”

日本語訳

「常に美しいものや新しいものを思索することは、神に似た行いである」

解説

この言葉は、美と革新を追い求める知的営みの尊さを称えるものである。デモクリトスは自然哲学者として、宇宙の秩序と多様性に美を見出し、人間の理性による探究を神聖視していた。美しいものを観想し、新しいものを考えるという行為そのものが、人間の精神を高次の存在へと近づけると彼は考えた。

古代ギリシアにおいては、「美(カロス)」と「善(アガトン)」がしばしば結びつけられ、美を愛することは徳や真理への道とされた。また、探究心や創造性は神々の性質の模倣であり、人間を精神的に高める行為とみなされた。デモクリトスのこの言葉も、知的活動の喜びと尊厳を賛美するものであり、人間の内に宿る神的な可能性への信頼を語っている。

現代においてもこの言葉は、芸術や科学、哲学といった分野における創造的思考の価値を再認識させる。消費的で反復的な情報に囲まれがちな日常において、美を見つめ、新しさを求める精神の営みこそが、私たちをより自由で崇高な存在へと導く。それはまさに、人間が神性に触れる瞬間であるとこの名言は示唆している。

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