「宇宙に存在するすべてのものは偶然と必然の産物である」

デモクリトス(画像はイメージです)
デモクリトス(画像はイメージです)
  • 紀元前460年頃~紀元前370年頃
  • 古代ギリシャ出身
  • 哲学者、自然哲学者、「原子論の提唱者」

英文

“Everything existing in the universe is the fruit of chance and necessity.”

日本語訳

「宇宙に存在するすべてのものは偶然と必然の産物である」

解説

この言葉は、自然界のあらゆる現象や存在が超自然的な意志ではなく、物理的な法則と偶然の組み合わせによって生じたという、デモクリトスの自然哲学の核心を示すものである。彼は万物の根源を原子と空虚(虚無)とし、神々や目的論を排した機械論的宇宙観を唱えた。つまり、世界は人間の意志や神の計画によらず、偶発的かつ法則的に形成されると考えたのである。

この思想は、のちにエピクロスやルクレティウスに受け継がれ、さらには近代科学の自然法則主義や因果律の概念にもつながっていく。たとえば進化論においても、突然変異(偶然)と自然選択(必然)の組み合わせが生命の多様性を説明しているように、デモクリトスの視点は現代科学の先駆けとして再評価されている。

現代においてこの言葉は、人生や社会の出来事も必ずしも計画や努力の結果だけではなく、予測不能な偶然が大きく関与しているという認識として受け取ることができる。成功や失敗に過剰な意味づけをせず、偶然と必然が織りなす世界の中で、いかに理性的に生きるかを考えることこそが、デモクリトスの問いかけなのである。

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