デモクリトス

- 紀元前460年頃~紀元前370年頃
- 古代ギリシャ出身
- 哲学者、自然哲学者、「原子論の提唱者」
人物像と評価
デモクリトス(Democritus)は、古代ギリシアの自然哲学者であり、原子論の創始者の一人として広く知られている。
彼は師レウキッポスの思想を発展させ、すべての物質は不可分の原子(アトム)と空虚から成るとする独自の宇宙論を構築した。
この原子論は、後世の近代科学、特に17世紀以降の物理学や化学に決定的な影響を与えた。
デモクリトスの思想は、万物の生成変化を機械的かつ自然法則的に説明しようとした点で、神々の意志に依存しがちな他の古代哲学とは一線を画すものであった。
また彼は、快楽主義的倫理も展開し、魂の静けさ(エウタミア)を最善の生き方とした。
ただし、彼の思想はプラトンやアリストテレスによって軽視されたため、長らく忘れられていたが、近代原子論の再興とともに再評価されている。
科学的合理精神の先駆者として、その功績は極めて大きいといえる。
名言
- 「加害者は被害者よりも不幸である」
- 「宇宙に存在するすべてのものは偶然と必然の産物である」
- 「節度を風に投げ捨てれば、最大の快楽は最大の苦痛をもたらす」
- 「少ししか望まなければ、貧しい人間も自らを富ませることができる」
- 「他人の過ちを正すよりも、自分自身の誤りを正すほうがよい」
- 「幸福は所有物にも金にも宿らず、幸福は魂の中に宿る」
- 「常に美しいものや新しいものを思索することは、神に似た行いである」
- 「原子と空虚以外に存在するものはなく、その他すべては意見にすぎない」
- 「すべての人を信用してはならない、価値ある人を信用せよ。前者は愚かであり、後者は慎重さの証である」
- 「不正な利益を望むことは、損失の始まりである」
- 「不正を受けても自らを慰めよ。真の不幸は、それを行う側にある」
- 「ペルシアの王国を得るよりも、たった一つの真の原因を発見するほうが私には価値がある」
- 「善とは、単に悪を行わないことではなく、悪を行いたいと望まないことである」
- 「人は善行よりも罪をより容易に思い出すものである」
- 「人は多くを知るよりも、多くを考えるよう努めるべきである」
- 「今も昔も、神々は人間にあらゆる善きものを授けるが、有害で害をなし無益なものだけは与えない。これらは今も昔も神々の賜物ではなく、人間が自らの盲目と愚かさゆえに踏み込むものである」
- 「自分ばかりが話し、まったく聞こうとしないのは貪欲である」
- 「子育ては不確かなものであり、成功に至るには一生の戦いと心配が伴う」