「歴史に見いだされる利点は三種類あるように思われる。それは想像力を楽しませ、理解力を高め、美徳を強めることである」

- 1711年5月7日~1776年8月25日(65歳没)
- スコットランド出身
- 哲学者、歴史家、経済学者、「経験論と懐疑主義の代表的思想家」
英文
”The advantages found in history seem to be of three kinds, as it amuses the fancy, as it improves the understanding, and as it strengthens virtue.”
日本語訳
「歴史に見いだされる利点は三種類あるように思われる。それは想像力を楽しませ、理解力を高め、美徳を強めることである」
解説
この言葉は、ヒュームの歴史の効用に関する見解を示している。彼にとって歴史は単なる過去の記録ではなく、人間の知性と道徳を養う教育的な役割を担っていた。まず歴史は物語として人の関心を引き、想像力を刺激し楽しませる。次に、事実の因果や背景を理解することで知性や判断力を鍛える。さらに、善悪の行為やその帰結を学ぶことで美徳を涵養する働きを持つ。
18世紀は歴史研究が哲学や政治論と結びつき、人類の進歩を理解する手段として重視された時代である。ヒューム自身も『イングランド史』を著し、歴史の語りが人々に与える教育的影響を深く意識していた。この言葉には、歴史を実用的かつ道徳的に意義ある学問として位置づける啓蒙思想的な姿勢が表れている。
現代においても、この洞察は変わらない。歴史は物語性によって人を惹きつけ、社会や人間の理解を深め、倫理的判断に影響を与える。したがってこの言葉は、歴史の学びが知的・道徳的成長の基盤であることを我々に教えているのである。
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