「私はあらゆる主題について書いてきた……それでも敵はいない。ただし、ホイッグ党員すべてと、トーリー党員すべて、そしてキリスト教徒すべてを除けば」

- 1711年5月7日~1776年8月25日(65歳没)
- スコットランド出身
- 哲学者、歴史家、経済学者、「経験論と懐疑主義の代表的思想家」
英文
”I have written on all sorts of subjects… yet I have no enemies; except indeed all the Whigs, all the Tories, and all the Christians.”
日本語訳
「私はあらゆる主題について書いてきた……それでも敵はいない。ただし、ホイッグ党員すべてと、トーリー党員すべて、そしてキリスト教徒すべてを除けば」
解説
この言葉は、ヒュームの皮肉と自己認識を示している。彼は哲学、歴史、宗教批判など幅広いテーマについて著述したが、その内容はしばしば政治的立場や宗教的信念を持つ人々を刺激した。ここでの発言は、自分の著作が党派や宗教を超えて反感を買ったという自嘲的なユーモアである。
18世紀のイギリスでは、ホイッグ党とトーリー党が激しく対立していた。またヒュームの懐疑論や宗教批判は、キリスト教徒から異端視されることも多かった。彼は特定の党派や教派に偏らずに批判を展開したため、結果的にあらゆる立場の人々から敵視されたのである。この言葉は、彼が政治的・宗教的に孤立しつつも、その状況をユーモアで受け止めていたことを物語る。
現代においても、この言葉は示唆的である。真に独立した批評精神を持つ者は、必然的に複数の立場から批判を受けることになる。したがってこの言葉は、普遍的な真理や批判を追求する者は、党派的な支持を失い、かえって広く敵を作ることがあるという逆説を教えているのである。
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