「賢明で公正かつ穏健な政府は、その臣民の境遇を容易で安全にすることによって、常に人口においても財貨や富においても最も豊かになる」

デイヴィッド・ヒューム(画像はイメージです)
デイヴィッド・ヒューム(画像はイメージです)
  • 1711年5月7日~1776年8月25日(65歳没)
  • スコットランド出身
  • 哲学者、歴史家、経済学者、「経験論と懐疑主義の代表的思想家」

英文

”Every wise, just, and mild government, by rendering the condition of its subjects easy and secure, will always abound most in people, as well as in commodities and riches.”

日本語訳

「賢明で公正かつ穏健な政府は、その臣民の境遇を容易で安全にすることによって、常に人口においても財貨や富においても最も豊かになる」

解説

この言葉は、ヒュームの政治と経済の繁栄の関係を表している。彼は、政府の役割を単なる権力行使ではなく、人々の生活を安定させることに置いた。その結果、民衆が安心して生活し、労働や商業が活発化し、人口や富が自然と増加するという循環を描いている。つまり、繁栄は圧制ではなく、公正で穏健な統治から生じるという考えである。

18世紀の啓蒙思想の文脈では、専制的支配よりも法の支配や公正な制度が社会を豊かにするという議論が広がっていた。ヒュームもまた歴史家・経済思想家として、専制が短期的な収奪をもたらす一方、安定と正義を重んじる統治が長期的な繁栄を保証すると指摘した。この視点は、近代的な政治経済学の発展に寄与した。

現代においても、この洞察は妥当する。人権や法の安定が保証される社会ほど、人口は活力を持ち、経済も持続的に成長する。逆に、不正義や暴政は人口流出や資源の枯渇を招く。したがってこの言葉は、繁栄の基盤は政府の知恵・公正さ・穏健さにあることを教えているのである。

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