「それゆえ人類に何が起こるのかを考えざるを得なくなる。技術は善にも破壊にも用いられ得る、ますます大きな力を持って進歩し続けている」

デヴィッド・ボーム(画像はイメージです)
  • 1917年12月20日~1992年10月27日(74歳没)
  • アメリカ合衆国出身(後にイギリスに帰化)
  • 理論物理学者、哲学者

英文

”So one begins to wonder what is going to happen to the human race. Technology keeps on advancing with greater and greater power, either for good or for destruction.”

日本語訳

「それゆえ人類に何が起こるのかを考えざるを得なくなる。技術は善にも破壊にも用いられ得る、ますます大きな力を持って進歩し続けている」

解説

この言葉は、技術の進歩が人類にもたらす二面性を指摘している。デヴィッド・ボームは科学者として、技術の発展が人間の幸福に寄与する可能性を持つ一方で、同時に破壊的な方向へも作用し得ることに深い懸念を抱いていた。ここには、核兵器や環境破壊といった20世紀以降の現実的な危機意識が反映されている。

歴史的には、技術革新は常に人類の生活を豊かにする一方で、新たな危険をも生み出してきた。産業革命は生活水準を向上させたが、大気汚染や労働搾取を引き起こした。核技術はエネルギー供給の可能性を広げると同時に、冷戦期には人類存亡を脅かす兵器となった。技術の力は価値中立ではなく、人間の思考と選択に左右されるのである。

現代社会においても、この指摘は極めて切実である。人工知能、遺伝子編集、気候工学といった新技術は、未来を大きく変える力を秘めているが、その利用次第で人類の行方は大きく分かれる。ボームの言葉は、技術の進歩を人間の調和と倫理の視点から制御する必要性を強調する警鐘であるといえる。

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