「私の提案は、心の適切な働きには、その時々において一般に知られていることを全体的に把握することが必要だというものである。それは形式的な論理や数学的な言葉だけでなく、直感的に、イメージや感情、詩的な言語表現などにおいてもである」

デヴィッド・ボーム(画像はイメージです)
  • 1917年12月20日~1992年10月27日(74歳没)
  • アメリカ合衆国出身(後にイギリスに帰化)
  • 理論物理学者、哲学者

英文

”My suggestion is that at each state the proper order of operation of the mind requires an overall grasp of what is generally known, not only in formal logical, mathematical terms, but also intuitively, in images, feelings, poetic usage of language, etc.”

日本語訳

「私の提案は、心の適切な働きには、その時々において一般に知られていることを全体的に把握することが必要だというものである。それは形式的な論理や数学的な言葉だけでなく、直感的に、イメージや感情、詩的な言語表現などにおいてもである」

解説

この言葉は、心の働きにおける全体的把握の重要性を強調している。デヴィッド・ボームは、思考を単なる論理や数学の枠組みに限定せず、直感、感情、イメージ、そして詩的言語のような多様な形態を含む総合的な営みとして捉えた。つまり、心は多次元的に世界を理解する能力を持ち、それらを統合することが必要だと主張しているのである。

歴史的に見ても、偉大な科学的・芸術的洞察はしばしば論理と直感の結合から生まれてきた。アインシュタインは理論を導く際に「直感的なイメージ」を重視し、詩人や哲学者も言語を超えた感覚で真理を表現しようとした。ボームの指摘は、理性と感性の両立こそが創造的思考の核心であることを示している。

現代においても、この洞察は教育や研究の在り方に示唆を与える。高度に専門化した知識社会において、形式的論理だけではなく、芸術的感受性や直感を重視することが新しい発見を生む原動力となる。ボームの言葉は、心の調和的な運用は論理と直感の総合にあるという普遍的な真理を教えている。

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