「生を知らなければ、どうして死を知ることができようか」

- 紀元前551年~紀元前479年
- 中国(春秋時代の魯)出身
- 思想家・教育者・政治家
英文
“If we don’t know life, how can we know death?”
日本語訳
「生を知らなければ、どうして死を知ることができようか」
解説
この言葉は、死を論じる前にまず生を深く理解すべきだという、孔子の現実重視の姿勢を示している。孔子は、生きている間に果たすべき道徳的責任や人間関係の在り方に重きを置き、死や来世について語るよりも、現実の生の中でどう徳を実践するかに関心を向けた。この考え方は、儒教における倫理と実践の優先順位をよく表している。
「生を知らない」とは、人生の意味や人間としての在り方を十分に理解していない状態を指す。そうした状態で死や死後を語るのは、空理空論に陥る危険がある。孔子はまず、人間としてどのように生き、他者とどう関わり、徳をどう積むかという現実の課題を深く掘り下げるべきであると考えた。
この言葉は、現代社会においても深い示唆を与える。死について考えることは重要だが、それは生を深く理解し、誠実に生きることが前提である。孔子のこの教えは、死を恐れたり追い求めたりする前に、まず目の前の「生」を全うせよという、現実に根ざした哲学的警句である。
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