「私は、生まれながらに知を持っていた者ではない。私は、古(いにしえ)を愛し、そこに知を求めて努めてきた者である」

- 紀元前551年~紀元前479年
- 中国(春秋時代の魯)出身
- 思想家・教育者・政治家
英文
“I am not one who was born in the possession of knowledge; I am one who is fond of antiquity, and earnest in seeking it there.”
日本語訳
「私は、生まれながらに知を持っていた者ではない。私は、古(いにしえ)を愛し、そこに知を求めて努めてきた者である」
解説
この言葉は、孔子が自らを「生まれつきの聖人」ではなく、「学び続ける人」として位置づけている謙虚な自己認識の表れである。彼は、知識や徳を天賦の才ではなく、歴史と伝統に学びながら修養によって身につけたものと捉えていた。そのため、古典や先人の教えに深く敬意を払い、それを探求する姿勢にこそ価値があると信じていた。
孔子がここで言う「古」は、ただ過去の知識ではなく、人間の本質や社会の理想が凝縮された文化的遺産である。それを学び取ろうとする姿勢は、知への情熱と誠実な努力こそが真の学問であるという儒学の根本精神を体現している。天才ではなく努力する者であることを誇るこの姿勢が、孔子の魅力であり、学ぶ者の模範でもある。
現代においても、知識は誰かの専有物ではなく、歴史や経験、他者の知恵に学びながら、自らの力として吸収していく過程にこそ意味がある。孔子のこの言葉は、学ぶ者にとって最も大切なのは「素質」ではなく「姿勢」であるという普遍的な真理を、謙虚かつ力強く伝えている。
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