「音楽の奏し方は知られている。曲の始めにはすべての音が一斉に鳴り、進むにつれて、それぞれの音は調和しつつも個別に際立ち、途切れることなく流れ、そして終わりに至る」

- 紀元前551年~紀元前479年
- 中国(春秋時代の魯)出身
- 思想家・教育者・政治家
英文
“How to play music may be known. At the commencement of the piece, all the parts should sound together. As it proceeds, they should be in harmony while severally distinct and flowing without break, and thus on to the conclusion.”
日本語訳
「音楽の奏し方は知られている。曲の始めにはすべての音が一斉に鳴り、進むにつれて、それぞれの音は調和しつつも個別に際立ち、途切れることなく流れ、そして終わりに至る」
解説
この言葉は一見音楽について語っているように見えるが、実は社会や政治、ひいては人生そのものにおける調和の在り方を象徴的に述べたものである。孔子は礼楽思想に基づき、音楽を秩序と道徳の象徴として重視し、理想的な人間関係や統治のモデルとして捉えていた。
冒頭の「すべての音が一斉に鳴る」は、始まりにおける一致と団結を意味する。その後、各パートが個別に際立ちつつ調和を保ち、流れるように進む様子は、多様性を尊重しながら全体の統一を失わない理想的な共同体の姿を表している。個が際立ち、かつ調和することが真の秩序であるという思想が込められている。
この考えは、現代の組織運営や国際関係にも応用できる。一人ひとりが自らの役割を果たしながら、全体の調和と持続性を意識することが、成熟した社会の条件である。孔子の音楽論は、単なる美的追求を超えて、人間社会の理想像を奏でる哲理として今なお通用する。
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