「死と生には定められた時があり、富と名誉は天に委ねられる」
- 紀元前551年~紀元前479年
- 中国(春秋時代の魯)出身
- 思想家・教育者・政治家
- 儒教の創始者として知られ、倫理、道徳、政治に関する教えを通じて中国文化や東アジア全体に大きな影響を与えた
英文
“Death and life have their determined appointments; riches and honors depend upon heaven.”
日本語訳
「死と生には定められた時があり、富と名誉は天に委ねられる」
解説
「死と生には定められた時がある」という部分は、人間の生と死があらかじめ決められたものだという運命的な考え方を表している。孔子は、生命の長さや死の時期は、私たちがどれほど努力しても完全にコントロールできるものではないと考えていた。この考え方は、人間が生と死に対して過度に執着するのではなく、自然の流れや天命を受け入れる態度を促している。人間は限られた命の中で、道徳的に正しく生きることに専念すべきであり、死を恐れるよりも、その時が来るまでをどのように生きるかが重要である。
「富と名誉は天に委ねられる」という部分は、成功や栄誉、富といった物質的なものも、完全に自分の力で得られるものではなく、天命による要素が大きいとする考え方を示している。孔子は、個人の努力や才能だけでなく、運命や幸運が大きな役割を果たすことを認識していた。富や名誉を得ること自体が目的ではなく、それらが訪れるかどうかは天(運命)に委ね、個人としては道徳的に正しい行いを続けることが重要であるという教えだ。
この名言は、人間が完全にコントロールできない運命や天命を謙虚に受け入れ、富や名誉に対して過度な執着を持たないことを促している。孔子は、人間の力ではどうにもならない事柄に心を煩わせるのではなく、自分ができる範囲で正しく行動し、天命に従うことが大切であると考えていた。努力や行動は重要だが、最終的に結果は運命に委ねられる部分があり、そのことを認識することで精神的な安定を得ることができる。
また、この教えは、現代においても有効なメッセージを持っている。私たちはしばしば、成功や富、長寿を求めて努力し、それに執着するが、それらが必ずしも自分の力だけで達成できるものではないことを認識することが重要である。孔子の教えは、結果に対する執着を手放し、日々の行動に焦点を当てることで、心の平穏を得るためのヒントを与えてくれる。
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